なぜそうなるか
死亡届は7日以内、火葬は24時間がたってから——墓地埋葬法は、火葬場は火葬許可証を受け取ってからでなければ火葬を行ってはならないと定めていました
家族が亡くなった直後は、考えることが一度に押し寄せます。
病院から死亡診断書を受け取り、葬儀の段取りを決め、親族に知らせる。その合間に「死亡届はいつまでに出すのか」という疑問が浮かぶ方もいるでしょう。
火葬の日取りを決めようとして、「亡くなってからすぐには火葬できない」と聞いた方もいるかもしれません。
さらに、火葬場を予約しても、役所で受け取る書類がなければ火葬はできない、という話もあります。
期限と順番が重なっているため、どれを先に済ませればよいのか分かりにくい手続きです。
そこで、戸籍法と「墓地、埋葬等に関する法律」の条文を e-Gov で開き、川口市とつくば市の案内とあわせて読みました。
ここでは、条文と市の案内の文をそのまま引きます。ご家族の場合にどの日付が当てはまるかは、この記事では判断しません。
・死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内(戸籍法第86条)
・火葬は、死亡後24時間を経過した後でなければ行えない(墓地埋葬法第3条)
・火葬には市町村長の許可が要り、許可のときに火葬許可証が交付される
・火葬場は、火葬許可証を受け取った後でなければ火葬を行えない
・つくば市は、火葬の日時・場所が決まっていないと許可証を発行できないと案内している
死亡届は、いつまでに出すの?
葬儀が終わってから、落ち着いて出しても間に合う?
戸籍法第86条の書き出しは次のとおりです。
起点は亡くなった日ではなく、死亡の事実を「知った日」と書かれています。死亡の届出は、届出義務者が、死亡の事実を知つた日から七日以内(国外で死亡があつたときは、その事実を知つた日から三箇月以内)に、これをしなければならない。
数え方については、つくば市の案内に2つの注意があります。
(注意)死亡の事実を知った日を含めて数えます。
(注意)7日目にあたる日が土曜日、日曜日、祝日・年末年始の場合は、翌開庁日までになります。
届け出るのは誰?
届出をする人について、戸籍法第87条は順序を示したうえで、こう続けます。
次の者は、その順序に従つて、死亡の届出をしなければならない。ただし、順序にかかわらず届出をすることができる。
挙がっているのは、同居の親族、その他の同居者、家主・地主などです。つくば市は、親族などが届出人として署名した死亡届を、ほかの人が代わりに窓口へ持って行くことはできると案内しています。
亡くなってから、すぐに火葬はできるの?
火葬場が空いていれば、亡くなった当日でも火葬できる?
同法第3条の本文です。
埋葬又は火葬は、他の法令に別段の定があるものを除く外、死亡又は死産後二十四時間を経過した後でなければ、これを行つてはならない。
つくば市の案内にも、許可の段階で同じ線が出てきます。
24時間の起点は、死亡届を出した時刻ではなく死亡の時刻という書き方です。火葬場所は日本国内の火葬場であればどこでもかまいません。 ただし、火葬時刻は死亡時刻から24時間以上経過してからでなければ火葬の許可ができません。
火葬許可証は、どこで受け取るの?
火葬の許可は、火葬場に頼めばもらえる?
まず、火葬をしようとする人には許可が求められます。第5条です。
埋葬、火葬又は改葬を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)の許可を受けなければならない。
許可を与えるときの扱いは、第8条です。
市町村長が、第五条の規定により、埋葬、改葬又は火葬の許可を与えるときは、埋葬許可証、改葬許可証又は火葬許可証を交付しなければならない。
川口市の案内では、この許可証が死亡届と結び付けて説明されます。
川口市の書き方では、死亡届を出すことが、火葬許可証を受け取る前提になっています。死亡届を提出すると交付されます。火葬のときに必要となりますので、忘れずにお受けとりください。
火葬場の側には、どんな決まりがある?
火葬場の側に向けた決まりは、第14条第3項にあります。
火葬の予約とは別に、許可証そのものが火葬場に渡る必要があるという組み立てです。火葬場の管理者は、第八条の規定による火葬許可証又は改葬許可証を受理した後でなければ、火葬を行つてはならない。
休日に亡くなった場合は?
週末に亡くなったら、許可証の受け取りはどうなる?
つくば市の案内には、許可証の発行について次の一文があります。
死亡届を届出した際に火葬許可証を発行します。火葬の日時・場所が決まっていない場合、火葬許可証は発行できません。
受け取りの時間帯については、注意事項に次の文があります。
死亡届の受付時間と、許可証を受け取れる時間は同じではないことになります。窓口の時間や運用は市区町村ごとに違うため、お住まいの市区町村の案内で確かめてください。原則として、月曜日から土曜日の開庁時間以外に許可証を即日受取できません。許可証がなければ、予約されていても火葬は執行できません。
この記事で確認したこと
・死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内(戸籍法第86条)
・火葬は、死亡後24時間を経過した後から(墓地埋葬法第3条)
・火葬の許可は市町村長が出し、そのとき火葬許可証が交付される(第5条・第8条)
・火葬場は、火葬許可証を受け取った後でなければ火葬を行えない(第14条第3項)
・つくば市では、火葬の日時・場所が決まらないと許可証を発行できない
期限は7日でも、火葬の日取りは許可証を受け取れる日とあわせて決める、という順番が条文と市の案内から見えてきます。
よくある質問
死亡届の用紙は、どこで手に入りますか
つくば市の説明では、死亡届と死亡診断書(または死体検案書)が1枚のA3の用紙です。医師が右半分を書いたものを病院などから受け取り、左半分を届出人が記入する、という案内です。
死亡届が出されたかどうか分からないときは
つくば市は、死亡届の用紙を預けた葬祭業者などに問い合わせるよう案内しています。市役所への電話では提出の有無に答えられない、とも書かれています。
葬祭費の申請も、死亡届と同じときにできますか
つくば市の「おくやみ窓口」の案内には、手続きの例として国民健康保険の葬祭費の請求が挙がります。葬祭費の額や申請の期限は、家族葬や火葬だけでも、葬祭費は受け取れる?で、5つの市と協会けんぽの案内を並べています。
この整理が変わる条件
- 戸籍法の死亡の届出に関する規定が改正された場合
- 墓地、埋葬等に関する法律の埋葬・火葬の許可に関する規定が改正された場合
- 川口市・つくば市が、死亡届や火葬許可証の案内を改めた場合
出典
- e-Gov法令検索「戸籍法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000224
- e-Gov法令検索「墓地、埋葬等に関する法律」 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000048
- 川口市「死亡届・死体埋火葬許可等」 https://www.city.kawaguchi.lg.jp/soshiki/01060/060/3/2566.html
- つくば市「死亡届・火葬許可証」 https://www.city.tsukuba.lg.jp/soshikikarasagasu/shimimbushimimmadoguchika/gyomuannai/5/6/1005187.html
届出の前に、届け出る市区町村の最新の案内と、窓口の受付時間をあわせてご確認ください。
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